No.32 2005.06.25
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■ 観光情報学会 Mail NEWS ■
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□ 大会後記 観光情報学会 第2回全国大会
パネルセッション1『観光と地域経済~データでみる観光~』
琉球大学工学部情報工学科助手 當間愛晃 (非会員)
□ ルポ
野外彫刻とアートツーリズム-本郷新生誕100年 記念シンポジウム-
北海道情報大学大学院 小笠原 有正(学生会員)
北海道情報大学情報メディア学部 斎藤 一(会員)
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■ 大会後記 観光情報学会 第2回全国大会
パネルセッション1『観光と地域経済~データでみる観光~』
著者:琉球大学工学部情報工学科助手 當間愛晃 (非会員)
お世話になっております.全国大会事務局の當間です.
大会後記と題して雑感を交えつつご紹介する形式で進めて行きたいと思
います.
<大会全体を通して>
合い言葉は「一にも二にも時間との勝負.時間厳守」.
大会案を練りだした段階では一般講演+パネルセッション2~3件程度で
あったプログラムが,最終的には
http://www.eva.ie.u-ryukyu.ac.jp/~tnal/kanko/event/20050516/2ndProgram-s...
にまで膨れ上がりました.「観光と情報のシナジー」という大会テーマ
に名前負けする事無く,特別講演とパネルセッションだけでも
・データに見る民間・学の立場から見据えた観光業界の将来
・官の立場から掲げる目標と現状
・新しい形の企業を作り上げる必要性
・風評被害とその対策
・電子マネーを取り巻く将来像
といった,極めて興味深いテーマについて最新の情報と意見とが飛び交
いました.その上,もう一方の主役である一般講演・一般展示を実施し
ていることもあり,全体的にタイトなスケジュールとなってしまった点
は残念で仕方がありませんでした.一方,概要を掲載した予稿集
http://www.eva.ie.u-ryukyu.ac.jp/~tnal/kanko/event/20050516/2ndProc-sti.pdf
は勿論有益な情報源足るわけですが,当日ご参加頂いた皆様にはその会
場でしか得られなかった貴重な意見が数多くあった事が明らかでしょう.
本記事では忘備録を兼ねて,参加する事の出来なかった皆様に少しでも
有益な情報を提供する事が出来ればと思います.
<パネルセッション1:観光と地域経済~データでみる観光~>
各パネリストが独自の理論で統計データへ解釈を与え,観光産業の将来
について語った.
譜久山當則 氏 (沖縄振興開発金融公庫融 資第一部長)
北海道・沖縄・八重山の3地域について,観光業と地域経済との関わり
を事業所数・域内総生産・観光客数といったデータより沖縄・八重山に
置けるサービス業の強さを示した.その上で,10年間の旅行の動向より,
沖縄・八重山における観光客数には特徴的な伸びがあり,その要因とし
て周遊型(団体旅行型)から体験・滞在型(グループ・個人旅行)への
旅行形態の変化と,提供していた地域資源とがうまくかみ合っていた点
を指摘し,今後も地域資源を活かしたアピールが重要であると述べた.
渡久地明 氏 (観光速報社 編集長)
過去30年分の延べ観光客数推移データに対し,客数の推移には明らか
な原因があると述べ,最も妥当と思われる要因の一つとして「観光客数
(需要)と受入能力(供給)の推移」を紹介した.客数が伸び悩んでい
る時期にはホテル等の施設供給不足という背景があり,需要と供給とは
二重螺旋を描くように右肩上がりに増加していることをデータで示した.
シミュレーションによると2018年頃には観光客が1千万人に達するが,
その過程で雇用者問題も十分解決出来るほどの創出が見込めると述べた.
大城 肇 氏 (琉球大学法文学部 教授)
観光の経済効果を分析するにあたり,観光需要を核とした複合産業群
を考慮する必要があり,観光に伴う消費がどのような波及モデルでどこ
にどの程度の効果を与えるのかという観点だけではなく,分析そのもの
に必要なデータを得られる事が重要であると述べた.また,観光客数の
短期的な予測法として,沖縄県総人口・国内総生産・観光消費額・収容
人員といった変数を利用したマクロ計量経済モデルであるREF(琉大経済
予測)model により予測を行い,2005年度の観光入域客数は 5,487 千人,
実質観光収入は 436,283.9 百万円程度と試算された事を報告した.
以上の報告を受けて,会場からは『単純に客数が伸びても収益が伸びな
いのでは本末転倒であり,観光客の入り込み数だけを見ても意味が無い
のではないか? 重要なのはコンテンツ作りや PR 活動に励み,客単価
を上げる事ではないのか』との指摘が出た.これに対し,渡久地氏は「
質を高めるための努力は当然重要だが,質に特化しすぎたアプローチは
危険である.まず供給を増やし,その上で多種多様な営業努力をする事
が重要だ」と答えた.司会者の遠藤聡志氏(琉球大学工学部教授)から
は,おきなわ観光情報学研究会にて運営しているMLにて同様のトピック
について議論が行われ,「まずは供給を整えることが重要だとの共通認
識に至った」とまとめた(*1).
(*1)MLにて同様のトピックについて議論が行われた.
MLにおける議論については
http://www.eva.ie.u-ryukyu.ac.jp/~tnal/kanko/
にて紹介しているので,興味のある方はご覧下さい.
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■ ルポ
野外彫刻とアートツーリズム-本郷新生誕100年 記念シンポジウム-
北海道情報大学大学院 小笠原 有正(学生会員)
北海道情報大学情報メディア学部 斎藤 一(会員)
平成17年6月11日(土)午後1時30分より,札幌教育文化会館 4階 講堂
にて野外彫刻とアートツーリズム~本郷新生誕100年記念シンポジウム~
が開催されました.
先ず,主催である札幌彫刻美術館友の会を代表して,橋本信夫氏より
挨拶がありました.
シンポジウムは,札幌彫刻美術館友の会 会員の高橋淑子氏のコーディ
ネートで進められました.
道立近代美術館 館長 水上武夫氏より,『アートツーリズムの実践者
として』と題して,館長自ら企画・運営を行った,アメリカ西海岸の美
術館を周る,まさにアートツーリズムの実体験をお話し頂きました.
そこから感じたことは「アートツーリズムは芸術の作品だけでは駄目で,
食べもの,景色,風土など,いくつかの見所や楽しみが共存してこその
アートツーリズムではないか!」との,貴重なご意見を頂きました.
5分の休憩を挟んで, 画家の栃内忠男氏に『本郷新の思い出』題して,
本郷新,ご本人との貴重な思い出を語って頂きました.また,この場で
本郷氏の肉声をテープで再生して頂きました.語って頂いた本郷新の思
い出の中で,栃内忠男氏は彼を師と仰ぎ,親友として語らい,また憧れ
の存在として尊敬しているような印象を受けました.本郷新,その人の
人間像を触れる時間を頂きました.また,本郷新は芸術家として,また,
一個人としても魅力的な存在であることを感じ取ることができました.
続いて,彫刻家の山谷圭司氏に『パリからモスクワへ~「彫刻の道」
計画』について講演を頂きました.パリからモスクワにわたっての彫刻
の道という計画からアートツーリズムを考える,というお話でした.野
外彫刻などは車で走りながら見るのではなく,歩いて野外彫刻までいく
ことが大切とのことでした.それはアートツーリズムが目的地に行くま
でのありとあらゆる要素を取り込んでいるかだということでした.また,
野外彫刻は風景や景色の中の一部であるからこそ,ゆっくりと近くまで
行ってみることが重要ではないかと語って頂きました.
最後に,北海道情報大学の斎藤一助教授により『Hokkaido Sculpture
Web』について報告を頂きました.Xoops というポータルサイト構築が
できるオープンソースのオーサリングソフトで制作した『Hokkaido Scu
-lpture Web』は写真の登録・閲覧ができる野外彫刻の紹介Webページで
あると語って頂きました.様々な工夫や使いやすさを考えられたこの『
Hokkaido Sculpture Web』は,今は札幌彫刻美術館友の会のボランティ
アのみなさんに情報登録していただいていますが,いずれは一般の人た
ちに情報登録できるWebサイトも構築したいとのことでした.また,い
ずれは野外彫刻だけではなく札幌の観光資源を使った観光支援ポータル
サイトを構築したいとのことでした.
その後,本日講演を行った全パネラーへ会場からの質疑を交えたフロ
アデスカッションが行われました.70名以上の参加者を迎え,大盛況
のシンポジウム~でした.
当日の画像などは,下記サイトで見ることができます.
http://ses97.complex.eng.hokudai.ac.jp/sapporo/modules/weblog/
━TOPICS━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□国内の動向
観光と情報に関する話題を紹介します.ここで紹介した話題がござい
ましたら,編集担当(hajime@do-johodai.ac.jp)までご連絡ください.
(掲載の判断は編集担当が行います.商業目的のダイレクトメール,
もしくは,それに類する内容は掲載できませんので,あらかじめご承
知おきください.)
"観光情報など映像配信",沖縄タイムス,
http://www.okinawatimes.co.jp/eco/20050623_3.html
"イサム・ノグチ設計 モエレ沼公園 札幌市に完成",日本経済新聞,2005年6月
22日朝刊
世界的な彫刻家,イサム・ノグチが設計した札幌市北東部の「モエレ沼公園」
が完成し,七月一日に全面開業する.
"故イサム・ノグチ氏作品「サンダーロック」を移設せず 札幌市が方針", 北海
道新聞,
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050617&j=0031&k=20050617...
"茅野の携帯ナビ来月稼働 商店情報や観光案内",長野日報,
http://www.nagano-np.co.jp/cgi-bin/kijihyouji.cgi?ida=200506&idb=52
"大手携帯電話会社、第四世代携帯電話に向けた次世代通信技術で屋外実験に成
功",
Yahoo!NEWS,
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050623-00000008-imp-sci
"世界初!! 非接触型手のひら静脈認証技術と多機能ICカードで学生を認証",
goo ニュース,
http://news.goo.ne.jp/news/mycom/it/20050623/20050623-05-mycom.html
"従来の製品より3分の1の大きさの静脈認証装置発売――USBでPC接続",
NIKKEI NET,
http://it.nikkei.co.jp/it/news/index.cfm?i=2005062208178j0
"ICタグで未来のお店・経産省、流通大手5社と実験", NIKKEI NET,
http://it.nikkei.co.jp/it/news/index.cfm?i=2005062210362j0
"液晶テレビが初めてブラウン管テレビを抜く国内出荷台数に",
MSN-Mainichi INTERACTIVE,
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/computing/news/20050622org00m300102000c...
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