設立趣意
1.設立趣旨
観光と情報をキイに地域の活性を真剣に考え、活動する人達が増えてきました。また日本の各地で観光を地域活性化のキイとしてあげているところが沢山あります。しかしながら、残念ながら人々の熱意は空回りしていて、地域の活性化実現や、他の人々を動かすまでには至っておりません。
この際、皆が一緒になり、皆の力を結集して大きなパワーとし、皆が動くことを可能にしていくために、特定非営利活動法人観光情報学会の設立を決意し、皆様に周知いたします。 観光は現在、基幹産業の1つなのにもかかわらず、観光振興に関して情報を切り口する研究と実用の基盤は脆弱です。ここに観光と情報を併せ持った研究領域としての「観光情報学」、そしてその活用啓蒙と実践機関である特定非営利活動法人観光情報学会を確立する強い動機と必然性が生じます。
この法人は、我が国の観光産業に関連する人たちに対して、観光と情報活用の視点からの学術研究・実用研究に基づいた提言等の実施事業を行うとともに、新しい学問分野としての観光情報学の確立・発展を図る活動、およびその分野の研究者の育成と支援活動を通して、わが国の観光産業の発展とそのための戦略研究に寄与することを目的とします。
より具体的に、観光学・情報科学技術に関する学術的視点と観光産業の融合を目指し、下記のような活動を行います。
(1)観光分野と情報科学技術のすべてに関わる調査研究や革新的技術の開発を通して、実践的学問としての観光情報学の確立
(2)学術的な研究により得られた成果をわかりやすく一般化し、観光産業に関連する人たちや観光に関わる行政・教育機関に向けた社会教育として、最新の研究成果を含む学会誌・書籍発刊やセミナー等の開催などの情報提供事業、およびコンサルティング
(3)観光情報学に関する研究成果やノウハウを応用した都市計画の策定や社会活動の提案などまちづくり活動に対する学術的支援
(4)文化・芸術・スポーツなどの社会活動の観光情報学の視点からの研究および活動支援
(5)観光地での自然災害のみならず風評被害も含めた観光産業・観光地域の被害把握の方法論の開発とそれに基づく観光産業復興支援に関する活動
(6)国内外の観光と情報科学技術に関する学術団体との交流・提携、および最新の世界的研究成果の国内観光産業への情報提供を行うための国際会議・シンポジウム等の開催
(7)事業の効率化や利便性向上へ向けた観光産業分野への最新の情報科学技術研究成果の導入支援
(8)産業構造の分析や観光振興戦略の策定、新規事業の提案を通した観光分野における経済活動の活性化支援
(9)その他,この法人の目的を達するために必要なあらゆる活動
2.NPO法人観光情報学会の申請に至るまでの経緯
上記のような趣旨をもって我々は、平成15年9月12日に任意団体「観光情報学会」を設立し活動を続けてきました。様々な観光分野に携わるあらゆる人々が、安心して参加可能であり、かつ、真に社会貢献が可能な研究団体を構築するための入れ物として「学会」という組織形態を用いたのです。
任意団体観光情報学会は、全国各地あるいは世界で、観光について意欲を持ち、活発に活動している人々(実務者、研究者)と議論し、一緒に活動する輪を作ることで得られるメリットは、地元中心のローカルな行動や思考から、全国的視野へ目を向けて活動する、そうした自己研鑽の機会を得る重要な場となったと思われます。また中越震災、能登沖地震、中越沖地震において、観光に関する風評被害の研究分析を行い、その成果物を新潟県知事などに提出するなど、社会還元も積極的に行いました。
さらに、観光情報学会を特定非営利活動法人化することによって、情報活用の視点から学術研究・実用研究を行い、観光産業の発展とそのための戦略研究に寄与するだけでなく、行政との協働や企業などとの連携などの実務も実行できる団体へ成長させることが可能であり、それらの活動を通して観光産業の発展に大きく貢献することができることから、特定非営利活動法人化を決意いたしました。
平成20年9月9日 特定非営利活動法人観光情報学会
本学会は、日本学術会議協力学術研究団体です。