No.35 2005.08.18
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■ 観光情報学会 Mail NEWS ■
━━━━━━━━━━━━ www.sti-jpn.org ━━━ 2005.8.18 No.35
━INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ サマーセミナー 開催案内
文部科学省<平成17年度オープン・リサーチ・センター整備事業>
選定記念
「能登夏期大学 in 七尾 半島地域から文化・観光交流を考える」
日時:8月28日(13:00~17:00),
29日(10:00~12:00)
主催:金沢星陵大学,七尾市,七尾市教育委員会
後援:七尾商工会議所,石川県立生涯学習センター,観光情報学会
会場:石川県七尾市和倉温泉 加賀屋 コンベンションホール
定員:100名
参加費:無料
☆観光情報学会は後援となっております.興味のある方は是非ご参
加ください.
□ ルポ 観光情報学会 第2回全国大会
パネルセッション2『風評被害~実際とその対策~』
北海道情報大学 情報メディア学部 斎藤 一
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■ サマーセミナー 開催案内
文部科学省<<平成17年度オープン・リサーチ・センターORC整備事業>>
選定記念-能登夏期大学in七尾-
半島地域から文化・観光交流を考える
[主催] 金沢星稜大学 経済研究所
同 人間科学研究所
同 地域連携センター
七尾市・七尾市教育委員会
[後援] 七尾商工会議所
石川県立生涯学習センター
観光情報学会
[会場] 石川県七尾市和倉温泉
加賀屋 コンベンションホール
[定員] 100名
[参加費] 無料
第1日 8月28日(日) テーマ「アジアの潮流と能登半島」
13:00~13:10 開講式
13:10~14:00 基調講演 加賀屋会長・金沢星稜大学客員教授 小田 禎彦
“和倉を語る-半島と世界をむすぶ-”
14:05~15:00 講座1 シーアイティーエス・ジャパン・中国国際旅行社(日本)
代表取締役社長 胡 如祥
“アジア、これからの国際観光
15:05~15:50 講座2 大連大学客員教授・金沢星稜大学ORC共同研究員
野村 允
“アジアの観光交流を描く-北国の未来像-”
15:50~16:20 (コーヒータイム)
16:20~17:00 演奏 鼓弓 若林美智子
竹笛 後藤 剛史 キーボード・笙 大國 徹
“北国の初秋を奏でる-風の盆の里から-”
17:30~ 交流会 (会費制)
第2日 8月29日(月) テーマ「能登の観光と情報」
10:00~10:50 講座3 金沢星稜大学教授・観光情報学会理事 大薮多可志
“能登半島の観光資源と情報 -島・山めぐる夢回廊”
10:55~11:45 講座4 金沢星稜大学教授・ORCプロジェクト代表 藤井一二
“能登万葉と大伴家持の旅 -香島より熊来を目指して-”
11:45~12:00 閉講式
七尾市教育委員会生涯学習課 TEL(0767)66-2343 FAX(0767)66-1970
金沢星稜大学事務局「夏季大学」係 TEL(076)253-3924 FAX(076)253-3995
e-mail:info@seiryo-u.ac.jp
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□ ルポ 観光情報学会 第2回全国大会
パネルセッション2『風評被害~実際とその対策~』
北海道情報大学 情報メディア学部 斎藤 一
大内会長がコーディネータとなり,沖縄県観光商工部商工振興課の下
地芳郎氏,沖縄県旅行業協同組合の東良和氏,ゆざわ観光情報学研究会
の岸野裕主査により,『風評被害~実際とその対策~』をテーマに,パ
ネルセッションが行われた.始めに,大内会長より,観光情報学会が風
評被害に関する研究を行うことになった経緯が説明された(新潟県訪問
ルポ http://www.sti-jpn.org/column/2005No11.html).
その後,下地氏より,沖縄県の観光危機管理について,米国のテロ発
生時の経験をお話いただいた.沖縄県で風評被害が起こってしまった要
因として,まず,米国テロが発生し,航空機利用が一時的に控えられ,
その後,マスコミによる米国基地が危険であると過剰報道され,その影
響で,基地のある沖縄全体も危険という風評が広がってしまった.また,
文部科学省による一部自治体への注意喚起文書等が連鎖的に作用し,最
終的に沖縄への観光予定者の約25万人がキャンセルをし,209億円
以上の損害を生んでしまった.風評被害の対策として,沖縄県は,"だ
いじょうぶさぁ沖縄"キャンペーンを展開.その他,航空路線別プロモ
ーション事業,メディアミックス事業,修学旅行誘致活動,通信教育企
業キャンペーン(空港,旅館,ホテルなど)等が行われた.その結果,
平成16年には,観光客が515万人と過去最高となるなどの回復,成
長を見せている.反省点として,初期対応の遅れ等があげられた.これ
らの経験により,風評被害対策として,以下の提案がなされた.(1)観
光危機管理(リスク)マニュアル作成すること,(2)風評内容を分析し,
より効果的な対策を実施すること,(3)リピータ対応を強化すること,(
4)市場の多様化を図り,リスク分散に努めること.
続いて,東氏より沖縄の風評被害について,インバウンドを中心にご
自身の考えをお話いただいた.9.11以降,日本旅行業界に与えた影
響は甚大であった.特に,修学旅行は,25万人から20万人,約8割
のキャンセルがあった.これは,保守的な学校関係者の体質が要因の一
つであると考えられる.また,流通等の問題もあり,東京では,旅行代
理店などで,沖縄のパンフレットがなくなった.しかし,ダイビングス
ポット等では,現地の情報が重要視され,逆に沖縄に来やすい状況が発
生した.残念ながら,沖縄の観光全体として,「沖縄は安全」との,他
の地域の人々の口コミ情報は集められなかった.今後は,情報のブラン
ド力についても取り組みが必要である.
最後に,岸野氏より,越後湯沢の風評被害,および,対策についてお
話し頂いた.先日の震災により,観光客は平均7割程度落ち込んだ.被
災者の人的物的支援として,救護活動,食料支援・燃料支援,炊き出し,
容器等の支援がなされた.しかしながら,新潟-越後は被害なく,被害
地域の正確なマップがなかったため,風評被害が発生した.風評対策と
して,被災地での支援(街中のスノーキャンドル@100円による希望
(アシタ)の灯りキャンペーン等)を行った.また,風用被害を訴える
キャンペーンを携帯電話やE-MAIL等も利用し,同時多発的行った.また,
JRおよび日本道路公団の誤記事に対して情報提供中止を訴える,60
00円の運賃を500円としたワンコインバスを運行する,各宿泊施設
が持つ顧客の掘り起こす,越後で統一したダイレクトメールを配信する,
新幹線の半額料金を実現する等の対策・キャンペーンを行った.この結
果,最終的に観光客は,130%増加した.今回の件で,被災地域住民
へ最大限の配慮をすること,正確な被害情報の提供すること,マスコミ
を利用した風評被害対策を行うことが重要であるということがわかった.
特に,誤報を生む情報の訂正・修正の要求を迅速に行うこと,顧客サー
ビスの充実を普段から徹底することが重要である.
その後,会場より,風評被害と言うこともはばかられた頃もあり皆の
意識の変革が必要である.TVのコメンテータが復興の鍵だったように
風評を生むマスメディアからの訂正報道が重要である.ダイビングスポッ
トのオーナーの情報のように,人間関係,口コミの情報が重要である等
の意見が述べられた.
最後に,大内会長より,九州(雲仙)のときには,風評被害というこ
と自体はばかられた.北海道は,風評対策に立ち上がれなかったという
経験をもつ.今後も風評被害対策の研究を進めていくことで,皆の意識
を変化させていくことが重要であるとのまとめでセッションは終了した.
北海道情報大学 情報メディア学部 斎藤 一
━TOPICS━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□国内の動向
観光と情報に関する話題を紹介します.ここで紹介した話題がござい
ましたら,編集担当(hajime@do-johodai.ac.jp)までご連絡ください.
(掲載の判断は編集担当が行います.商業目的のダイレクトメール,
もしくは,それに類する内容は掲載できませんので,あらかじめご承
知おきください.)
"地球検索ブラウザー『グーグル・アース』", Yahoo! NEWS,
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050816-00000006-wir-sci
"Google Mapsと連携、地図による Blog 検索「maplog」", Japan.internet.com,
http://japan.internet.com/busnews/20050809/5.html
"位置情報と連動する配信サービス「キメクル」本格スタート",IT media
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0508/08/news035.html
"ICカード→電波ポスター→携帯電話…→観光情報入手 IT活用のまちづく
り",
YOMIURI ONLINE,
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_i/me050805_2.htm
"動画や6カ国語で場所ごとの観光情報を発信", asahi.com,
http://mytown.asahi.com/aichi/news01.asp?c=24&kiji=224
"大手パソコンメーカー、GPS機能を内蔵したPDAの廉価版発売", NIKKEI
NET,
http://it.nikkei.co.jp/pc/news/index.aspx?i=20050808da002da
"大手電気メーカー、画像・音声をリアルタイムに配信できる手のひらサイズの
サーバを発売",
gooニュース,
http://news.goo.ne.jp/news/mycom/it/20050809/20050809-05-mycom.html
━企業・団体会員リスト━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【団体会員A】
NECソフトウェア北海道
(株)HBA
(株)J-時空間研究所
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(株)日立東日本ソリューションズ
(株)北海道新聞社
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日立ソフトウェアエンジニアリング(株)
日立ビジネスソリューション(株)
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【団体会員B】
(株)デジック
(株)電通北海道
(株)十勝毎日新聞社
(株)藤井ビル
(株)リクルート北海道じゃらん
ソラン北海道(株)
日本スーパーマップ(株)
北陽ビジネスフォーム(株)
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