No.37 2005.10.31
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■ 観光情報学会 Mail NEWS ■
━━━━━━━━━━━━ www.sti-jpn.org ━━━ 2005.10.31 No.37
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□ 第1回 観光情報学会独演セミナー <ご報告>
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□ 観光情報学会独演セミナーの実施報告
10月21日(金)に開催の「第1回観光情報学会独演セミナー」は、札幌
の主なホテルの総支配人の方々が参加されるなど、当初の目的を果たし、
成功裏に終了いたしました。
馬場主査をはじめとする「さっぽろ観光情報学研究会」のメンバーの皆
様、特に今回の企画の中心となって関係者に働きかけていただいた柳森
さん、裏方としてお手伝いいただいた学会幹事の皆様、ご協力に心から
感謝いたします。
今回のノウハウを次回のおきなわ観光情報学研究会へ引継ぎ、観光情報
学会全体の事業として継続できるように育てて生きたいと考えておりま
すので、さらなるご協力をお願いいたします。
簡単ながら一言御礼を申し上げると共に、さらなるご協力をお願いいた
します。
なお、当日の様子はセミナールポを御覧下さい。
平成17年10月21日
観光情報学会
会長 大内 東
参加者
会員:24名
非会員:42名
招待:2名(オータパブリケイションズ関係者)
合計:68名
□ 第1回 観光情報学会独演セミナー<ご報告>
とき:2005年10月21(金)
ところ:北海道大学情報教育館
独演者:株式会社オータパブリケイションズ取締役・
週刊ホテルレストラン編集長 村上実氏
演題:ディスティネーション・マーケティングの実際と今後の展望
~北海道の観光産業活性化のキラーコンテンツとは~
■オータパブリケイションズについて
ホテル&レストラン業界人必読と言われる「週刊ホテルレストラン(定価
1600円)」など定期刊行物を発行しています。出版業のほか、ホテル
/レストランを対象としたコンサルタント業、業界の人材流動性の高さに
目をつけ、現在70000人のホテルマンを登録する人材紹介業を事業の
三つの柱にしています。
■供給サイド(=ホテル業界)が考えるホテルヒエラルキー
ADRという指標がある。1室1日あたりの客室単価のことで、ホテレス
調べによると1位はパークハイアット東京(50,491円)。以下2位、
上高地帝国ホテル(36,357円)。3位、ザ・ブセナテラス(31,
931円)。ちなみに上位100社のなかで客室稼働率90%超えは四社
で、東京ステーションホテル(96.3%・東京駅直結というロケーショ
ン)、ホテルオークラ東京ベイ(91.3%・TDRオフィシャル【注1
】)、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(90.3%・同
【注1】)、カヌチャベイホテル&ヴィラズ(90.1%)。供給サイド
はADRを指標として、ハイエンド~ボトムまで各ホテルをランク付けし
たがる。「高級」「三つ星」「エコノミー」「泊まるだけのための」といっ
たように。ハイエンドからボトムまでホテル数はピラミッド型に存在する
ことになり、ADRの高低によって、富裕者層~一般向けの宿泊商品造成
・提案をしたがる。富裕者層には「高級」を、一般には「エコノミー」を、
と。特に旅行会社にその傾向が見える。*数値はすべて2003年のもの。
所謂リゾートホテルは除外したデータとのこと。
【注1】TDRオフィシャルホテルの稼働率の高さは、TDRで遊んだ後、
渋滞の高速や混雑する京葉線で帰るのではなく、夢のつづきを至近のホテ
ルで過ごしたいという来場者の需要を発掘したことによるものである。そ
して彼らは翌日もミッキーに会いに行くのである。
■供給サイド(=ホテル業界)と需要サイド(=利用客)との'ズレ'
ところが需要サイドは、供給サイドの思惑とは異なったホテル選びをする。
たとえば普段は「エコノミー」を選択するOLが、自分へのご褒美として
年に数回「高級」に連泊したり、富裕者と言われる方も、これは出張だか
らと割り切って「日経新聞と東京スポーツを必ず部屋に届けてくれるのが
ウリのエコノミー」を定宿にしたりする。つまり需要サイドは旅の目的と
気分と同行者の有無などで宿泊先を使い分けしている。これは至極当たり
前の行動である。そこを分かっていないホテルが多い。需要サイドのTP
Oに即した欲求を汲み取ってあげられるかどうか、その要求に近づける努
力をしているかどうかが、そのホテルの「高級」「エコノミー」というラ
ンク付けに拘わらず勝ち組みと負け組みを決定する。それが結果として、
ADRを上げることに繋がる。ホテルも旅行会社もそこをもっと学ばなけ
ればならない。
■「プロシューマ」という考え方
供給サイドに今こそ求められているのは、米国の未来学者 アルビン・ト
フラーがその著書「第三の波(80年)」で提唱した「プロシューマ【注
2】」という概念だ。プロデューサー(生産者・供給者)とコンシューマー
(消費者・需要者)が協働で、新しい製品/サービスを開発していくとい
うのが「プロシューマ」の考え方であり、これをホテルと客の関係に当て
はめて考えるべきだと。
【注2】プロシューマ型の商品開発が行われた例としては…。コンピュー
タのOSである「リナックス」は、もともとフィンランドの学生が開発し
た。彼(供給者)はその設計内容を隠すことなくオープンにした。世界中
のコンピュータ技術者が協力し合いながら改良を進めている。彼らは利益
のためではなく、一人のユーザーとして使いやすいソフトを作ろうと開発
に参加している。例えば、「こんなバッグが欲しい」という要望を広く消
費者から募り、その要望が一定数に達したら、正式に製品化するといった
こともプロシューマ型の商品開発である。
「客の読みたい新聞を事前に聞いて、必ずそのとおり用意する」そんな宿。
「最高の睡眠空間を提供するために、事前に、好みのベッドシーツの素材
と色、枕の材質、カーテンの色、誘眠時のお香の種類を用意する」そんな
ホテル。「宿泊者専用の掲示板(クレームあり、改善点の要望あり、ここ
が良かった悪かったあり)を用意し、客とともに客室空間と館内サービス
の向上に努める」そんな旅館。こういったコンシューマーと一緒になって
ホテルをプロデュースすることが、必要だ。「プロシューマ」の考えに立
てば、現行のADRにとかく捉われがちな供給サイドの販売促進方法がい
かに'ズレているか'が分かる。勿論このような作業は、相応のオペレーシ
ョンが可能なホテルにしかできないかも知れないが。
■webが可能にする「プロシューマ」型の開発
ネットはホテル業界におけるプロシューマ型の商品(客室空間・館内サー
ビス・食事など)開発において、非常に有効である。例えばネット予約サ
イト「楽天トラベル」ではweb上に掲示板を設け、ユーザー(=宿泊経
験のある客またはこれからの客)は口コミ情報やホテルへの要望を伝えた
り、ホテルもそれについての的確な処置を行ってその報告を行うなど、電
子コミュニティの場を提供している。これはホテル自身の業務改善、サー
ビス改善にも役立つそうだ。需要サイドと供給サイドが協働して「泊まり
たいホテル」作りを行っている好例である。能動的ユーザーはインタラク
ティブであること、かつ協働を望むものである。
(話しは少し変わりまして…)
■北海道と沖縄の比較
2004年、JTBが行った調査「顧客が支持する宿」で第1位となった
栃木県那須にある高級旅館・二期クラブの経営者の話し。旅館の成功の秘
訣として語ったことの一つが「その宿がある土地の発するメッセージ性な
りアイデンティティーがないと駄目」ということ。この文脈で北海道と沖
縄の玄関である新千歳、那覇空港を比較する。那覇空港には到着した時か
ら'めんそ~れ沖縄の看板'で歓迎され、空港ビル内では時にはレイの歓迎
を受け、三線の音が聞こえ、琉球舞踊が披露される。「あぁ、南国沖縄に
来たのだ」とすぐに気持ちがチェンジする。一方、新千歳ではそこまでの
「あぁ」を感じることができない。これはホテルではなく空港の話しだが、
その土地でのファーストコンタクトとして果たす役割は重要である。工夫
を求めたい。
北海道新聞社 花井 篤志
━TOPICS━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□国内の動向
観光と情報に関する話題を紹介します.ここで紹介した話題がござい
ましたら,編集担当(hajime@do-johodai.ac.jp)までご連絡ください.
(掲載の判断は編集担当が行います.商業目的のダイレクトメール,
もしくは,それに類する内容は掲載できませんので,あらかじめご承
知おきください.)
"全国空港・観光フォーラム開催", 中日新聞,
http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20051026/mng_____kei_____002.shtml
"ナビタイム、携帯と連携できるパソコン向け位置情報サイト", YAHOO! NEWS,
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051027-00000020-imp-sci
"下諏訪の観光名所携帯ナビで案内 11月中旬めどにスタート", Nagano
Nippo,
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=1450
"箱根町の観光情報 ポータルサイトになってオープン!", タウンニュース,
http://www.townnews.co.jp/020area_page/03_fri/12_hako/2005_4/10_21/hako_...
"新ASP型eラーニングサービス「ASP-NEXT」を提供開始", NIKKEI
NET,
http://it.nikkei.co.jp/business/news/release.aspx?i=114376
"「地球全部をホットスポットにする」第4世代通信衛星(上)", gooニュース,
http://news.goo.ne.jp/news/wired/it/20051027/20051027101.html
━企業・団体会員リスト━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【団体会員A】
NECソフトウェア北海道
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日立ビジネスソリューション(株)
富士通(株)
(五十音順)
【団体会員B】
(株)デジック
(株)電通北海道
(株)十勝毎日新聞社
(株)藤井ビル
(株)リクルート北海道じゃらん
ソラン北海道(株)
日本スーパーマップ(株)
北陽ビジネスフォーム(株)
北海道CMC(株)
北海道テレビ放送(株)
(五十音順)
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