No.42 2006.04.12
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■ 観光情報学会 Mail NEWS ■
━━━━━━━━━━━━ www.sti-jpn.org ━━━ 2006.4.12 No.42
━INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ 観光情報学学生ゼミ in北大参加ルポ
ほくだいがくせい観光情報学研究会主査 本田崇智
□ 書評:ロズウェルなんか知らない 篠田節子 講談社
日立ビジネス 森本伸夫
□ 観光情報学会 第3回 全国大会開催 発表・展示申し込み受付中
(4/21まで)
http://www.sti-hakodate.org/zenkoku/
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■観光情報学学生ゼミ in北大参加ルポ
ほくだいがくせい観光情報学研究会主査 本田崇智
平成18年3月3日、北海道大学にてさっぽろ観光情報学研究会とほくだいがくせい
観光情報学研究会の合同で研究会が開催されました。私はほくだいがくせい観光
情報学研究会の主査として運営に携わり、また本研究会にて発表もさせていただ
きましたので、その模様を報告したいと思います。
今回この研究会が開催されるにあたったきっかけは、全国各地で学生による興味
深い観光の研究が行われているという大内会長のお言葉でした。
私は普段はほくだいがくせい研究会の中で似たような立場の学生の方々と一緒に
観光情報学に取り組んでいるのですが、同じ学生の立場から新たな視点で観光学
にアプローチしている研究に触れることで、新たな知見が得られ自分の研究にも
生かせるのではないかと考え、またその機会は多くの人にとっても同じように感
じられるのではと思い開催するに至りました。
研究会には北海道大学の他に、金沢星陵大学、はこだて未来大学の学生の方々に
参加していただけました。発表者の方々から今回の研究会について感想をいただ
いたので以下に載せさせていただきます。
金沢星陵大学大学院 新保達也さん
「私は「観光者情報トレースシステム」について発表させていただきました。研
究会はアットホームな雰囲気の中,終始学生が中心となって討論が行われたこと
がとても印象的でした。今後もこのようなスタイルで研究会が行われることを節
に願います。」
北海道大学 丸山加奈さん
「実装されている観光経路作成システムは、ある入力に対して観光経路を作成し
提示するといったものがほとんどです。しかし、ユーザにとって必要なのはもっ
と使いやすい、経路のカスタマイズも簡単にできるシステムであると思います。
これからの研究を通して、そのようなシステムに近づけていきたいです。」
私自身も、発表者としてはさまざまな学生の方や企業の方から意見をいただき今
後に向けた指針になったということと、開催側としても学生を中心に企業の方も
含めた議論が行われ、また他にも「観光支援システムKISSの開発」では実際に完
成度の高いシステムとして実装までされている研究などさまざまなアプローチか
らの研究に触れることができたよい機会となり、成功に終わった研究会ではない
かと思います。
補足ですが、研究会後行われた懇親会でも学生による活発な議論が繰り広げられ
たようです・・・。
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■ 書評:ロズウェルなんか知らない 篠田節子 講談社
観光による町づくりで悩んでいる人には必読の書。内容は本書のカバーに書かれ
た言葉そのままです。以下はカバーより。
『地方の未来を真面目にわらう!!過疎の町を再生しようと悪戦苦闘する元若者
たちが仕掛けた策とは……?UFOで町おこし!?
「俺のところの民宿は、つぶれる。うちに田畑はない。あるのは今更だれも見向
きもしないテニスコートだけだ。客は来る。公共工事の作業員だ。下請けの下請
け、そのまた下請けの建設会社が、宿泊費を叩きに叩く。お袋は去年からこの先
の工業団地にパートに出てる。それで過労から腎炎を起こして倒れた。倒れるほ
ど働いたところで、食ってはいけない。俺はまたここを出ていって、東京で職を
探すだろう。しかし学部卒の技術屋に職はない。ビル清掃か、キャバレーの呼び
込みか、仕事があれば御の字だ。残ったおふくろは、民宿村と心中する……」
(中略)「売るか、日本の四次元地帯で」孝一が手の中のショットグラスをカウ
ンターに静かに置いた。「格好つけちゃいられねえってことだ」』
この本の中に描かれた人々の姿からは、主人公とその脇を固めるユニークな人
たちも含めて、北海道のある町で観光にまじめに取り組む方々の顔が浮かんでき
ます。著者は、ひょっとしてこの町に住んでいことがあって、観光に関わってき
たことがあるのかのように思えてしまいます。また、そうやって人物像を明確に
することで現実味を帯びた世界を楽しむことができました。
私に限らず、少しでも観光にかかわる方であれば、『そうそう、こんな人いるよ
なぁ』『おいらの悩んでることと同じだよ』『こんなことできれば面白いよな』
など、身近に感じているさまざまな事や足をひっぱる少しばかり(?)問題な人
たちの姿が、この本の中にはテンコ盛りです。
実は、この本は過疎の田舎をテーマにしながらも、それは多くの企業や組織に
もあてはまるのかも知れません。このまま行けば経営が立ち行かなくなると分か
っていながら、何も手を打たずに会社にしがみつく経営者や自治体の長たち。悪
いのは全てひとのせい。それはこの本の中の民宿や商店のお年より達の姿にかぶ
ります。そんな日本の姿も、ここには秘められているように感じます。
しかし、この本はあきらめてはいません。それらの問題を解決してゆくのは、当
初のきっかけは余所者の行動であったとしても、やはり地元のみんなの頑張りで
しかないのだよ。きっと何とかなるはずだよ。そんな暖かな応援が聞こえてきま
す。
以上
日立ビジネス 森本伸夫
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関連記事:ニセコレルヒホテル閉館記念
篠田節子先生トークセッション"ロズウェルなんか知らない"
http://www.sti-jpn.org/MailNEWS/2006No40.txt
━TOPICS━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□国内の動向
観光と情報に関する話題を紹介します.ここで紹介した話題がござい
ましたら,編集担当(hajime@do-johodai.ac.jp)までご連絡ください.
(掲載の判断は編集担当が行います.商業目的のダイレクトメール,
もしくは,それに類する内容は掲載できませんので,あらかじめご承
知おきください.)
"観光情報制度の規範性の抱える問題点を解説する教科書が発刊",ぎょうせい,
http://www.gyosei.co.jp/shinkan/search.cgi?BOOKNUM=4&VAL=Data/sin004.txt
"ブログに貼り付けられる地図、実験サイトで公開",IT MEDIA NEWS,
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/01/news100.html
"ドライブ感覚で街並みを楽しめる地図サイトを試験公開", NIKKEI NET,
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2006030107530ba
"HP「八戸広域観光ガイド」開設",東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/0403/nto0403_15.asp
"県境を越えた広域観光ポータルサイト開設", 日本商工会議所,
http://www.jcci.or.jp/cgi-news/jcci/news.pl?2+20060401190659
"インデックス沖縄、EZweb公式の沖縄総合情報サイト「沖縄☆マニアック!」",
Venture Now
http://www.venturenow.jp/news/2006/03/09/2349_011179.html
"錦帯橋の情報満載、新HP開設", 中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200603150078.html
"BIGLOBE、約3千件の地方情報を提供する「観光ガイドコーナー」を開始。動画
なども配信", RBB NAVi
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200603150078.html
━企業・団体会員リスト━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【団体会員A】
NECソフトウェア北海道
(株)HBA
(株)情報科学センター
(株)日立東日本ソリューションズ
(株)北海道新聞社
札幌総合情報センター(株)
日本ユニシス(株)
日立ソフトウェアエンジニアリング(株)
日立ビジネスソリューション(株)
富士通(株)
(五十音順)
【団体会員B】
(株)デジック
(株)電通北海道
(株)十勝毎日新聞社
(株)藤井ビル
(株)リクルート北海道じゃらん
ソラン北海道(株)
日本スーパーマップ(株)
北陽ビジネスフォーム(株)
北海道CMC(株)
北海道テレビ放送(株)
(五十音順)
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