観光情報学会 第3回全国大会 『私が感じた観光情報学会全国大会ー口頭発表の行方ー』
第3回全国大会プログラム委員長 公立はこだて未来大学 鈴木昭二
先頃函館で行われた第3回全国大会は、プログラム 編成上は次の2点がこれまでの大会と大きく異なっていた。一つは日程を2日がかりとしたことであり、もう一つは一般発表に口頭発表を取り入れたことであ る。これまでの大会が1日で終了し、発表がすべてポスターであったことと比べると大きな変化と言えるだろう。筆者は今回の全国大会が初めての参加であるた め、前回までの大会については学会ホームページから得られる資料でしか知ることができないが、発表件数の推移を眺めてみると、第1回が18件、昨年の第2 回が29件であったようである。今回の大会の発表件数は24件であり、数字の上では昨年より5件減少している。今大会の担当者としては昨年が例外的に多い だけで、全体としては回を重ねるごとに順調に増えていると思いたい。
ところで、今回の発表の内訳であるが、24件のうち口頭発表は9 件、ポスターは15件であった。発表形式の選択は発表者にゆだねたが、どちらの形式に何件の発表申し込みがあるのかは全く予想がつかなかった。全日程の中 で口頭発表に使える時間は限られていたため、口頭発表の申し込みが多過ぎる場合には一部をポスター発表に振り替える必要があった。逆に口頭発表の申し込み が非常に少ない場合も考えられた。これらの事態に備えてプログラム委員会を組織したが、結果的にはちょうどよい数の発表申し込みがあり、委員をお願いした 方々にあまり負担をかけずに済みほっとしている。
今大会で初めて実施した口頭発表であるが、発表件数からは発表者側に需要があること が伺える。また、プログラムの組み方によっては同じようなテーマを扱う発表を集め、聴衆に対して問題への取り組み方や解決方法を直接比較して考える機会を 提供することができるであろう。観光情報学の今後の展開を考えていく上ではこうした取り組みも重要だと思われる。その一方で、全国大会における口頭発表の 位置づけが確立していないことから、今後の大会における取り扱いはその都度検討していかなければならないだろう。特に、参加者の視点でどのような発表形式 が望ましいのかについては改めて考えてみる必要があると思われる。口頭発表を続けるのかあるいはこれまで通りポスター発表のみにするのか、口頭発表を続け る場合は発表時間と件数をどの程度にするのがよいのか等々、今大会の経験を踏まえた検討が望まれる。とりあえずは、来年度の実行委員の皆様、大変だと思い ますががんばって下さい。