世界の宿泊施設分類システムに関するシンポジウム ルポ

世界の宿泊施設分類システムに関するシンポジウム ルポ
さっぽろ観光情報学研究会 正会員
北海道大学大学院情報科学研究科
博士課程1年 大柳幸彦

さっぽろ観光情報学研究会では11月30日、北海道大学学術交流会館に於いて「世界の宿泊施設分類システムに関するシンポジウム」を開催しました.
当 研究会宿泊施設ブランディングプロジェクト(リーダー:株式会社メジャーセブン 代表取締役 柳森利宣 氏)では、日本の宿泊施設市場が抱える問題を解決 するため、日本の歴史的・文化的背景を考慮しつつ、欧米型の第三者機関による評価・ランク付けとは異なった宿泊施設が自ら情報を開示する「宿泊施設情報開 示に基づく分類システム」の構築について、3年前より研究中であり、本シンポジウムはその研究のひと区切りとして開催されたものです.
シンポジウムは,北海道大学大学院情報科学研究科 大内 東 教授(観光情報学会会長)の挨拶、世界のホテル分類システムの現況説明から第一部が始まりました.
第 一部の口頭発表は、ハンガリーからの留学生(北大大学院 博士課程2年)チェル・カタリンさんによるドイツの宿泊施設分類システム、中国からの留学生(北 大大学院 修士課程2年)富 春雨さんによる中国の宿泊施設分類システムについての詳細説明があり、引き続き、柳森プロジェクトリーダーから現在の日本の 宿泊施設業界が抱える問題点と、プロジェクト立ち上げの経緯説明があり、その解決策のひとつとして観光情報学会の提案する「宿泊施設情報開示システム」の 説明を私(大柳)より説明させていただきました.
第2部は 大内 東 教授をコーディネーターとしてパネル討論が行われました.以下、パネラーの方々のご発言順に概要を記載します.

1.北海道大学大学院情報科学研究科 山本雅人 助教授
経済学者アカロフ氏の情報の非対称性がある市場(レモン市場)理論から日本のホテル市場を解明.また情報開示によって発生が想定される問題(過大評価、悪意のネガティブ評価、悪意の組織的ポジティブ評価等)についての解決・解消に関する研究紹介.

2.経済産業省 商務情報政策局サービス産業課 宮本岩男 課長補佐
エステ業界、医療業界の評価の実例について説明.

3.株式会社メジャーセブン 柳森利宣 代表取締役
札幌のホテル市場の現状・特徴についての説明.さらに、観光情報・宿泊施設情報に関するインフラの整備について、行政のバックアップ、補助等の要請.

4.国土交通省 北海道運輸局 柏木隆久 企画観光部長
ホテル評価に近い国際観光ホテル整備法による登録制度(所謂、政府登録)の紹介とその限界の説明.

5.株式会社オータパブリケイションズ 村上 実 取締役経営調査室長
ホテルの実力を示す指標としてADR(Average Daily Rate)、RevPER(Revenue Per Available Room)の紹介.
以上のパネル討論の後、引き続き、白熱する質疑応答があり、予定時間を30分オーバーしてシンポジウムは閉会となりました.

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