第5回観光情報学会全国大会ルポ
金沢星稜大学,かが・のと観光情報学研究会 幹事
沢田 史子
平成20年5月28日、29日の2日間に亘り、第5回観光情報学会全国大会が旭川で開催されました。28日の午前に行われたプレ発表、観光情報学研究会活動報告、記念講演について報告します。
プレ発表として、旭川ICT協議会会員・(株)コンピュータービジネスの宮前佑矢氏より「Web(旭川市旭山動物園)での取組事例紹介」が行われました。旭山動物園の動物や行動展示を、地球という目線で用いて発信している「マザーズアース」の紹介が行われました。「マザーズアース」は旭山動物園の公式ホームページから見ることができます。動物の体の特徴や生態が、3Dによりリアルに表現されています。動物園で観察して欲しいポイントも記載されており、事前学習がしやすい環境が整っています。クロヒョウの斑点は時間帯によって出るなど、動物の写真撮影時のエピソードなどもお話いただきました。
次に各観光情報学研究会の活動報告が行われました。昨年12月以降、3つの研究会が設立され、研究会の数は12になりました。短い時間ではありましたが、各研究会のこれまでの活動や、今後の活動予定・方針などを知る良い機会となりました。共通したテーマに取り組んでいる研究会もあり、今後は研究会間の連携も視野に入れ活動を推進する必要性を感じました。
記念講演では、IFITT国際連携担当理事・オーストラリア支部代表ポール・バロン氏がご講演されました。さっぽろ観光情報学研究会主査の伊藤先生の通訳により、終始楽しい雰囲気で進められました。日本支部が設立されたIFITTの紹介の後、ポール氏が運営に携わっているビクトリア州公式ホームページ「Tourism Victoria」についての紹介がありました。以下にその一部をご紹介します。
・日本に比べオンライン予約が高い割合で利用されており、「Tourism Victoria」のサイトを見たことがきっかけとなり、ビクトリア州を訪れる人も増加している。
・観光客同志が意見を交換するなど、Web2.0技術を活用したサイト運営が強いられている。
・信頼されるWebサイトを作成・維持することが重要である。そのためには行政のサポートと民間のマネジメント力が必須で、両者の協働により行われなければならない。